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2026.06.21

家づくりコラム

【いま知っておきたい】ナフサショックによる家づくりへの影響とは?

ナフサショックで家づくりはどう変わる?|建築費高騰の影響と4つの対策

HOUSING COST GUIDE

ナフサショックで
家づくりはどう変わる?

建材の値上がり、設備の納期遅延、短くなる見積期限。いま知っておきたい影響と、家計を守りながら前に進むための対策を整理します。

読了目安 7分 建築費・資金計画 家づくり基礎知識

昨今、ニュースなどで「建材の値上がり」を耳にする機会が増えました。「いま家を建てるべきか、それとも待つべきか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

建築費を押し上げる要因は、木材・金属・人件費・物流費など一つではありません。そのなかで、断熱材や樹脂サッシ、配管など幅広い部材に影響するのが、原油高を起点とした「ナフサショック」です。

この記事では、家づくりへの具体的な影響と4つのリスク、そして検討中の方がいま準備できる対策を、順番にわかりやすく解説します。

01 / Background

ナフサショックとは?
住宅価格・建築費高騰の原因

ナフサは、原油を精製する過程で得られる石油化学製品の基礎原料です。プラスチックや合成樹脂、合成ゴム、塗料・接着剤など、私たちの暮らしを支える多くの製品につながっています。

中東情勢の緊迫化、原油価格や為替の変動、輸送コストの上昇などが重なると、ナフサの調達価格が上がり、石油化学製品の価格や供給にも影響が及びます。住宅業界では、この一連のコスト上昇や供給不安を「ナフサショック」と呼ぶことがあります。

原油からナフサ、樹脂系建材を経て住宅へつながる流れをシンプルに示したイメージ
原油高はナフサと樹脂系建材の価格へ波及し、住宅価格の上昇や工期の遅れにつながります(イメージ)
STEP 01原油価格・
為替が変動
STEP 02ナフサの
調達価格が上昇
STEP 03樹脂系建材の
製造コスト増
STEP 04住宅価格・
工期に波及

現代の住宅には、断熱・防水・気密・給排水・内外装など、目に見えない部分まで樹脂系の材料が使われています。そのため、ナフサ価格の上昇は一つの部材だけでなく、住宅全体のコストに少しずつ積み重なるのです。

02 / Materials

値上がり・納期遅延の影響を
受けやすい住宅建材

影響は「プラスチック製品」という分かりやすい範囲にとどまりません。住宅の性能や工事の進行に欠かせない、次のような部材に及びます。

断熱材、樹脂窓の断面、配管、防水シート、塗料などの住宅建材
断熱・開口部・配管・防水など、樹脂系材料は住宅のさまざまな場所で使われています(イメージ)
価格・納期

断熱材(ウレタン・発泡系)

石油化学原料の影響を受けやすい代表例。価格上昇に加え、出荷制限が起きると施工工程にも影響します。

価格

樹脂窓・各種塩ビ材

高断熱住宅に欠かせない樹脂サッシなど。原料や製造・輸送コストの上昇が製品価格に反映されやすい部材です。

積み上げ注意

塗料・防水材・接着剤

外壁や屋根、内装の施工に幅広く使用。単価の小さな副資材でも、全体ではコスト増が積み重なります。

工程停止リスク

配管・プラスチック系部材

給排水に使われる塩ビ管など。必要な継手が一つ欠けただけでも、関連する水回り工事が止まる場合があります。

納期

トイレ・ユニットバスなどの住宅設備

本体だけでなく樹脂パーツやコーティングも多用。部品の調達遅れが、設備機器そのものの納期に直結します。

03 / Risks

家づくりにおける
4つの大きなリスク

資材の高騰や供給網の混乱は、予算だけでなくスケジュールや住み始めた後の暮らしにも関わります。契約前に確認したいポイントは次の4つです。

建築コスト(本体価格)の上昇

断熱材やサッシなどの値上がりは、最終的に建物価格へ反映されます。当初の予算が通用せず、設備や間取りの見直しが必要になるケースもあります。

住宅設備の調達・納期遅延

トイレやユニットバスの納品が遅れると、完成・引き渡し時期も後ろ倒しに。仮住まいの家賃や更新費用が長引く可能性まで見ておきましょう。

打ち合わせ中の仕様変更

希望した建材が供給停止になれば、設計途中でも代替品への変更が必要です。性能・色・質感の優先順位を先に決めておくと判断しやすくなります。

見積書や契約条件の途中変更

価格変動が大きい時期は、見積書の有効期限が短くなりがちです。「どの時点で価格が確定するか」「値上がり分を誰が負担するか」を確認しましょう。

04 / Timing

ナフサショックはいつまで続く?
家づくりのタイミング

「価格が落ち着くまで待つべき?」という問いに、すべての家庭に共通する正解はありません。原油や為替の先行きを正確に読むのは難しく、建材価格が下がったとしても、人件費や物流費、住宅ローン金利など別のコストが上がる可能性があるからです。

WAIT

「安くなるまで待つ」

市況が落ち着く可能性はありますが、その時期と下落幅は読めません。家賃の支払い、金利、家族の進学など、待つ間のコストも必要です。

PREPARE

「条件を整えて進む」

価格を当てにいくのではなく、返済できる上限・譲れない性能・代替できる仕様を決め、条件に合えば進む考え方です。

一度上がった建材価格は、原材料価格が落ち着いても、人件費や製造・輸送コストの影響ですぐに以前の水準へ戻るとは限りません。大切なのは、「いちばん安い瞬間」を待つことより、家計とライフプランに合う購入条件を決めることです。

05 / Action Plan

物価高に振り回されないために
いま取るべき4つの対策

先行きが不透明なときほど、相場を予想するよりも、自分たちで管理できる項目を一つずつ固めることが有効です。

家づくりを守る、4つのアクション

契約前の準備で、価格変動への耐性は大きく変わります。

  1. 補助金や優遇制度を確認する 国・自治体の補助金、税制優遇の対象条件と申請時期を確認。制度は年度途中でも変更・終了するため、必ず最新情報をチェックしましょう。
  2. 予算の上限を「総額」で把握する 建物本体だけでなく、土地、諸費用、外構、家具・家電、予備費まで含めて上限を設定。返済額は金利上昇も想定して試算します。
  3. 住宅性能と光熱費のバランスを見る 初期費用を下げるために断熱性まで削ると、入居後の光熱費が増えることも。建築費と維持費を合わせた長期の総額で比較しましょう。
  4. 代替案と価格確定の条件を聞く 欠品時の代替メーカー、性能差、追加費用、工期への影響を事前に確認。見積期限と価格改定条項も、口頭ではなく書面で確認します。

住宅会社へ相談するときのチェックリスト

  • 見積もりに含まれていない工事・諸費用は何か
  • 見積金額の有効期限と、価格が確定するタイミングはいつか
  • 資材高騰時の追加費用は、誰が・どこまで負担するのか
  • 欠品した場合の代替品と、性能・デザイン・保証の違いは何か
  • 引き渡しが遅れた場合の仮住まい費用や契約上の扱いはどうなるか

Conclusion

後悔のない家づくりは、
「判断基準」を持つことから

ナフサ価格の上昇は、建築費だけでなく、納期や仕様にも影響します。しかし、市況が読めないからと不安になる必要はありません。

無理なく返せる予算、譲れない性能、変更できる仕様。この3つを家族で整理し、補助制度や契約条件を確認すれば、物価の動きに振り回されにくい家づくりができます。

「いつ建てるか」だけでなく、「どんな条件なら建てるか」。その基準を持つことが、理想のマイホームへの最初の一歩です。