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【これぞ本物】超クリエイティブ
先日、森美術館で開催されている「藤本壮介展」に行ってきました。
藤本壮介氏は、日本を代表する建築家であり、近年では2025年大阪・関西万博の会場デザイン監修を務め、「大屋根リング」を設計したことでも大きな話題を呼びました。
北海道出身の彼は、東京大学大学院を修了後に独立し、「自然と建築の新しい関係性」を追い求めながら、世界各地で革新的なプロジェクトを手掛けています。
その思想の根底にあるのは、建築を“囲うもの”ではなく、“つなぐもの”として捉える姿勢。
自然と人、人と人との関係をやわらかく繋ぐような空間づくりを続けています。
展示の中で特に印象的だったのが、写真の2つの模型です。

1枚目の作品は、無数の水平プレートがランダムに積層されたような建築で、まるで自然の森がそのまま都市に立ち上がったような造形。
内部と外部の境界が曖昧で、光や風が建物の中を自由に通り抜ける構成は、藤本氏が提唱する「未来の原始的建築」という理念を象徴しています。
秩序と無秩序が共存するような造形の中に、自然の複雑さと人間の理性が見事に融合していました。

もう一つの模型「NOT A HOTEL ISHIGAKI EARTH(2025)」は、円形の地形に建築が溶け込むように配置された作品。
中央に大きく開いた空洞が空と地を繋ぎ、光や風、雨までもが建築の要素として取り込まれるデザインです。
建物が主張するのではなく、地球の呼吸の一部として存在しているようなスケール感に圧倒されました。
藤本氏の“クリエイティブ”の根幹にあるのは、自然との共生を再構築する姿勢だと感じます。
彼の建築は奇抜さではなく、必然的な美しさと秩序を持ち、そこに暮らす人々の感覚を呼び覚ます力を持っています。
この考え方は住宅設計に通じるものがあります。
日常の中で、光の入り方、風の抜け、素材の手触りなど、自然のリズムをどう空間に取り込むか__
それこそが本当の意味での“クリエイティブ”だと改めて感じました。
藤本壮介展を通して、住宅の設計においても「人と自然が呼応する建築」を意識していきたいですね!
